セキュリティの重要性が高まり続ける現代では、サイバーセキュリティだけではなく物理的なセキュリティも疎かにすることはできません。
ビジネスシーンはもちろん、私たちの日常生活においても扉の施錠・解錠の手間を減らすスマートロックの需要は拡大しています。
一般的なスマートロックではスマートフォンなどのデバイスを利用してロック解除を行いますが、近年では顔認証技術によるスマートロックも注目を集めています。
この記事では、スマートロックの利点や顔認証を組み合わせることの効果、ビジネスシーンにおける顔認証スマートロックの活用を紹介します。
広がりを見せるスマートロックとは
スマートロックは、従来の鍵や錠前に代わる新しいセキュリティシステムです。
インターネットや無線通信技術を利用してドアのロックやアンロックを制御し、スマートフォンなどのデバイスから操作するものが一般的です。
スマートロックの特徴を解説します。
デジタル操作の導入
スマートロックでは、デジタルデバイスを使って、鍵の操作をします。
物理的な鍵を持ち歩く代わりに、スマートフォンやスマートウォッチなどのデバイスを用いて、ドアの施錠・解錠を行うことが可能です。
カスタマイズ可能なアクセス権限
多くのスマートロックシステムでは、ユーザーによりアクセス権限をカスタマイズできます。
特定の個人に対して一時的または恒久的なアクセス許可を簡単に設定できるため、家族や友人、一時的に作業をする業者などへのアクセス管理が容易になります。
無線通信技術の活用
無線通信技術を利用して、スマートロックはスマートフォンやホームオートメーションシステムと連携します。
Wi-FiやBluetoothなどの無線通信技術により、ロックのステータスをリアルタイムで確認し、必要に応じてアクションを取ることができます。
鍵の解錠・施錠の手間を減らし、かつデジタルならではの柔軟な制御を行えることがスマートロックの特徴といえます。
▶️ 参考記事『非接触鍵とは?メリットや顔認証による非接触鍵を解説!』
スマートロックをさらに便利に~顔認証によるスマートロックの進化~
従来のスマートロックはすでに多くの利便性とセキュリティを提供していますが、顔認証技術を組み合わせることでさらに進化したスマートロックを実現できます。
スマートロックにおける顔認証の役割
顔認証を備えたスマートロックは、ユーザーの顔をデジタル鍵として使用します。
カメラが顔をスキャンし、登録されたデータと照合してドアを解錠する仕組みです。
これにより、物理的な鍵やスマートフォン、コード入力などを必要とせず、手ぶらでドアのロック解除ができるようになります。
顔認証により実現される利便性とセキュリティ
顔認証スマートロックは、利便性とセキュリティの両方を提供します。
利便性の面では、上述したように自分の顔を使って瞬時にドアを解錠できます。
セキュリティの面では、鍵や認証デバイスの紛失リスクがないこと、偽造しづらいため不正アクセスの心配が少ないこと、が挙げられます。
顔認証によるスマートロックは、手間を削減した上で強固なセキュリティを実現できる技術といえます。
ビジネスにおける顔認証スマートロックの活用事例2選
顔認証技術スマートロックはすでに実用化がされており、様々な場所で活躍しています。
オフィスの入退場管理
多くの企業のオフィスビルや施設で、顔認証スマートロックを入退室管理のために利用しています。
従業員や訪問者の顔を認識し、安全なアクセスを保証します。
非接触式のため、感染症対策としても有効で、セキュリティと健康の両面での利点があります。
▶️ 株式会社レアジョブ導入事例『ICカードを顔認証に切り替えたことで、感染症対策、セキュリティ対策、勤怠管理が同時に実現』
ホテル業界での非対面チェックイン
ホテル業界では、顔認証技術を使った非対面チェックインシステムが導入されています。
宿泊客が予約時に提供した顔の画像をチェックインのタイミングで照合することで、受付から入室までの手続きがスムーズになるでしょう。
これにより宿泊客の手間やストレス、従業員の負担を大きく削減することに繋がります。
▶️ 参考記事『顔認証によりホテルの業務が変わる!顔認証チェックインの効果とは?』
デジタルな処理を行い施錠するスマートロックと顔認証を合わせることで、従来のスマートロックでは実現されていなかった効率化やセキュリティの強化を見込めます。
顔認証スマートロックを導入する際の注意点
様々な活用を見込める顔認証スマートロックですが、導入する際はいくつかの留意事項があります。
顔データの管理
顔認証システムが動作する上で必須の顔データは、セキュリティとプライバシー保護の観点で厳重な管理をしなければなりません。
データベースのセキュリティ対策を徹底すること、個人情報保護法に基づいた適切な取り扱いが必要です。
堅牢な環境でのデータ保管や、データ破損に備えたバックアップを実現できるサービスを利用することが大切です。
設置する環境
顔認証スマートロックの設置環境は、認証精度と利便性のバランスを考える必要があります。
光の条件、天候、設置場所の安全性など、ロックが適切に機能する環境を確保することが重要です。
顧客や従業員への説明
顧客や従業員に対して、顔認証スマートロックの導入目的と使用方法、プライバシーに関するポリシーを明確に伝えることが大切です。
顔データの取り扱い、データがどのように保護されているか、そして顔認証に関わる利点とリスクを適切に説明し、理解と同意を得る必要があります。
用途にマッチしたサービスを選定し、適切な運用を心がければ、顔認証スマートロックは非常に大きな効果を期待できます。
ただし、プライバシーの保護やサービスの特性については入念な準備・検討が必要不可欠です。
スマートロックと顔認証による最新のセキュリティ
スマートロックの登場により、企業や一般家庭においても鍵の紛失や摩耗、管理の手間から解放されつつあります。
さらに顔認証システムを組み合わせることで、デバイスの管理からも脱却し、文字通りの顔パスを実現できる点は顔認証の大きな魅力といえるでしょう。
企業においては様々な来客や従業員の入れ替わりなど、複雑な入退室管理が必要となるシーンが多くあります。
顔認証によるスマートロックであれば、顔情報を登録すれば必要な権限を自由に付与できるため管理がシンプルになり、ICカード紛失などによるセキュリティリスクを削減することにも繋がります。
また、手ぶらで認証できるため荷物の搬入などもスムーズになるといった効果も期待できます。