コロナ対策として検温の重要性は広く知られています。多くの企業は信憑性に欠ける自己申告ではなく、出社時に非接触型体温計での検温を実施しています。しかし、これには手間がかかる、人手が足りないなどの悩みがあります。そこで、一般的な「非接触型体温計」と、昨今話題の「顔認証型」について比べてみました。
感染を防止するには体温計での検温が不可欠。しかし、精度に不満を持っている。
いまや、6割以上の企業が出社時、検温の報告を義務付けています※1。職場クラスターの発生を防ぐためにも、検温の重要性は広く知られていると言えるでしょう。しかし、そこには悩みもあります。
まず、自己申告による検温では、正確性に疑問が残ります。責任感が強い従業員ほど、発熱を隠して出社する危険性があるかもしれません。忙しい中で周囲に迷惑をかけられないという意識が、正確な検温の邪魔をする可能性があるのです。
そこで、出社時に検温を実施するという選択肢があります。弊社の調査でも、非接触型体温計での検温を行っている企業が多数となっていますが、実際に検温を行うと、精度に問題があるという不満が多いようです。
アンケート結果をもとに、検温器やデバイスについてまとめました。
接触型体温計 | 非接触型体温計 | 顔認証型 | |
---|---|---|---|
1.精度 | 高い | ばらつきがある | ±0.3℃※2 |
2.速度 | 時間がかかる | 概ね1秒 | 0.5秒※2 |
3.接触度合い | 接触 | 非接触 | 非接触 |
4.結果と個人のひも付け | 手動 | 手動 | 自動 |
5.運用の手間 | 多い | 多い場合もある | 自動 |
測定条件や機種により異なります。
※2 SenseThunder-Eの場合
1.精度
精度においては、接触型体温計の信頼性がやはり高いと言えます。非接触型体温計は、周辺温度や測定箇所によってばらつきが出やすいようです。顔認証型では、AIによる補正により、高精度を実現しています。
測定条件や機種により異なります。
2.速度
こちらでは接触型体温計は不利になっています。非接触型体温計では概ね1秒、顔認証型では0.5秒※3程度で検知が可能です。
※3 SenseThunderの場合
測定条件や機種により異なります。
3.接触度合い
接触型は、人と人との接触が避けられません。一方で、顔認証型は無人で運用できるので、その心配は無用です。
4.結果と個人のひも付け
万が一、従業員に感染者・濃厚接触者が出た場合に重要となります。その従業員が誰と接触していたかを調査するには、結果と個人のひも付けが不可欠です。接触型・非接触型体温計の場合、担当者が記録する形式になり、それをデータ入力して管理しなければなりません。一方、顔認証型では、温度検知と顔認証によって個人と温度のひも付けが完了します。PCなどと接続すれば、自動で履歴も残り、わざわざデータを入力する手間や、入力時のミスは発生しないことになります。
5.運用の手間
接触型・非接触型体温計での検温の場合、担当者を入り口に配置し、出社する従業員の検温を実施することが多いでしょう。担当者の業務負荷、マスクやフェイスガードの手配、検温器の消毒などを考えると、相当な負担が想像できます。加えて、検温結果の入力も大きな負担となります。なによりも、検温を実施するその場に人が集中してしまい、避けなければならない「密」が発生してしまう可能性があります。
顔認証型の場合、無人で運用できること、機種によりますが従業員はマスクをしたままでデバイスに顔を向けるだけで良いこと、速度が速いことから、これまでと変わらない様子で出社できます。デバイスを設置するだけでさほどスペースを取らないことも便利です。一部の機種では、リアルタイムで温度検知結果をPCなどに転送し、温度異常アラートを出すことも可能で、運用面の手間を大幅に削減することができます。
出社時の検温はwithコロナ時代のスタンダードに。だからこそ、無理がない運用が必要
今後、新型コロナウイルスの感染状況がどのように推移するのかはわかりません。今冬はインフルエンザとの同時流行も懸念されています。感染症のリスクに対応することが、これからの時代には欠かせないでしょう。いま意識が高まっている感染症対策は、今後はスタンダードになる可能性が高いのです。
有効な感染拡大防止策である検温は、今後も企業が取り組む感染症対策の軸となるでしょう。「それが日常」であるからこそ、「正確さ」「速さ」「個人を特定できる」といった機能はもちろん、「運用に手間がかからないこと」も大切なポイントになるはずです。