コロナ対策、職場などのクラスター対策としてすっかり定着したマスクの着用、ソーシャルディスタンス確保などの三密回避ですが、「接触感染」対策、つまり、手が触れるところの消毒も当然重要です。
ウイルス感染の要因は口や鼻などの粘膜へ飛沫が付着することだけでなく、手指が飛沫の飛んだ箇所に触れ、その手指から感染することもあるからです※1。
しかし、接触感染を予防するためにすべての場所を消毒するには大きな負担がかかります。そこで注目されているのが「非接触型オフィス」です。
※1 出典:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A
非接触型オフィスとはその名の通り、人が触れる部分や密になる部分をできる限り減らしたオフィスのことです。この記事では、「接触感染」対策のための非接触型オフィスの実現方法について解説します。
接触感染を防ぐためにはオフィスで「非接触」を心がける
そもそも、オフィスでの新型コロナウイルスの感染のリスクはどのようなところにあるのでしょうか。ここでは、新型コロナウイルスの感染経路やオフィスでの感染のリスクについて説明します。
新型コロナウイルスの感染経路
新型コロナウイルス対策、職場などのクラスター対策として、三密回避、マスクの着用は当たり前になりました。これらは、「空気感染※2」「飛沫感染」への危機意識によるものです。しかし「接触感染」への対策はどのようになっているのでしょうか。
※2 参考:アメリカ疾病予防管理センター(CDC) How COVID-19 Spreads
ソーシャルディスタンスが徹底され、人と人が直接接触する機会は減少しています。しかし「接触感染」は、人と人の接触だけではなく、間に「もの」を介した接触にも注意を払う必要があります。オフィスにもそういった「接触感染」のリスクが高い箇所は数多く存在するのです。
オフィスでの接触感染のリスク
オフィスでの接触感染は、例えば以下のケースで気を付けなければいけません。
・ドアの取っ手
・タッチパネルやパソコンの操作
・照明やエアコンのスイッチ
・エレベーターのボタン
上記のような場面からの接触感染を防ぐために、取っ手などの消毒や手洗いが行われているのですが、完全な対策は難しいのが現実です。
非接触型オフィスを実現するさまざまな手段|顔認証システムの有用性
オフィスでは「接触感染」を防ぐ必要がありますが、それを実現するのが「非接触型オフィス」です。ここでは、非接触型オフィスを実現する手法について説明します。
非接触型オフィスには「触れないこと」が重要
接触感染を防ぐ究極の手段は「触れないこと」、つまり、非接触型オフィスを実現することです。非接触型オフィスを実現するためには、以下のような対応が必要になります。
ドアの取っ手や鍵、 エレベーターなどのボタン | 触れずに開けられるように自動化する。 もしくは、手指で直接触れなくとも操作できるよう、操作用の道具を用いる。 |
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照明やエアコンのスイッチ | 入室しただけでオンになり、全員が退室したら自動的にオフになるようにする。 |
複合機などのOA機器 | パソコンやスマートフォンからの設定のみで動くように設定し、ボタンを利用しないようにする。 |
オフィス全体をセンサーなどで検知し、人の動きに合わせて、さまざまなスイッチが反応するようにするのです。こういった対策で、ウイルスの感染リスクを減らすことができます。
IoT技術を導入することで実現できる
非接触型オフィスは、オフィスにIoT技術を導入することでも実現可能です。
例えば、センサーで人の動きを感知し空調の温度を適切に保ったり、部屋の電気の点灯・消灯を自動で制御したりできるIoTシステムがあります。これらはスイッチやボタンに触る機会を減らせるため、非接触型オフィスを実現可能なのです。
また、このように人が在室しているか不在かを判別し調整を自動で行うことは、電気代の削減にも繋がるでしょう。感染リスクを減らしつつ無駄なコストも削減できる、一石二鳥な技術がIoTです。
非接触型オフィスに有用な顔認証システム
非接触型オフィスには「顔認証システム」が有用です。顔認証システムは、カメラで撮影した画像から個人を特定できる、身近な非接触ツールです。
精度が高い顔認証システムは個人の特定においてミスが起きにくいことから、出退勤や認証が必要な場面でも活用されています。今まで直接何かを操作したり触ったりしていたものが顔認証システムに置き換わることで、スムーズで安心安全な非接触型オフィスが実現されます。
「非接触 × 顔認証」を活用してオフィスでできること
オフィスでの「非接触」に有用な顔認証ですが、活用することでスマートオフィス実装の一貫にもなります。
それでは顔認証システムの具体的な活用場面はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、「非接触×顔認証」のできることを紹介します。
オフィスの入退室管理と検温 | カメラに写るだけで自動認証と検温をするため、検温結果の用紙での管理が不要 |
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勤怠管理 | 打刻をしなくても認証と同時に勤怠管理できる |
PCログイン | IDとパスワードをタイピングする必要がなく、顔認証することで自動ログイン可能 |
セキュリティが必要な部屋への入室制限 | 個人データに入室の権限を付与することで、顔認証でドアの開閉を行う |
自動受付や来訪者の検知など | 顔認証で自動受付・音声応答し、来訪者の情報を送信する |
オフィスでの認証がスムーズに
高精度な顔認証システムを導入することで、オフィスでの認証がスムーズに行えます。
社内のセキュリティにおいても、顔認証技術と自動ドアを連動させれば、所属部署や役職に応じた入室制限を行うことができます。
スイッチに触れないことで感染リスクを減らすだけでなく、個人の移動履歴を客観的データとして自動で残すことで、業務上関係がない場所や社外秘資料がある場所に、「誰が」「いつ」入室したかをわかるようにするなど、セキュリティ対策にも繋げられます。
業務の効率化に繋がる
顔認証システムは、業務効率化にも繋がります。非接触で自動認識され、人の手で操作する必要がないため、パスワードを管理する必要もセキュリティカードを持ち歩く必要もありません。
また、顔認証システムと温度管理システムを連携させることで、検温データの管理もシステム上で行われます。紙で管理して表計算ソフトに転記する必要がないため、工数の削減に繋がるでしょう。さらには出退勤時間も管理できることから、残業時間の算出や外出記録なども自動で行えます。
顔認証技術の導入で、より進化した非接触型オフィスへ
オフィスでの感染症対策では、接触感染を防ぐ「非接触型オフィス」が有効です。非接触型オフィスはIoT技術や顔認証技術を導入することで実現可能になります。
また、これら技術はスマートオフィスの実装にも有効で、導入することで業務の効率化や従業員のスムーズな勤務実現に繋がるでしょう。
JCVでは、非接触型オフィスを実現する、高精度画像認識技術を搭載したソリューションを提供しています。
精度の高い顔認証システムを活用すれば、今のオフィスをより便利でより安全な場所に生まれ変わらせることも可能です。オフィスでの感染症対策のため顔認証システムの導入を検討されている方は、ぜひJCVまでご相談ください。