コラム

withコロナ時代の採用。面接などの採用活動はオンラインだけで対応できる?

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コロナ禍で業績が悪化し、新卒採用を取りやめる企業も出ています。採用を進めている企業でも、通常なら冬から春にかけて開催される合同説明会が開催されない、密を避けるために集団面接が実施できない、個別面接もオンラインになるなど、過去に経験がない状態となっているのが現状です。withコロナ時代の採用活動は、どのように変わっていくのでしょうか。

withコロナ時代の新卒採用は「オンラインが中心」のまま? 

2021年卒の新卒採用は、多くの企業で春先にかけて実施される合同説明会が開催中止となり、採用活動の核となる母集団の獲得が難しい状態となりました。また、面接などもオンラインで多く開催されました。2022年卒のためのインターンシップもオンライン、あるいは非開催の選択を取らざるを得ない企業が多くあります。2020年10月1日時点での内定率は69.8%と、前年度と比較して約7ポイントの下落、2015年以来の70%割れとなっています。この数字はいわゆる就職氷河期時代と同レベルなのです。

※出典:厚生労働省 令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)

密を避けるために、合同説明会などのイベント・面接をオンライン化することは、感染拡大の抑止という点で必要な対策です。しかし、採用という側面で見るとまだまだ過渡期にあるようです。

学生からは、面接などでオフィスに出向いた際に感じられた、
企業の雰囲気が伝わってこない
・オンライン面接では自己アピールが難しい
・質問がしづらい といった声があります。

採用をする企業にとっても、
・学生の雰囲気が伝わってこない
・通信環境が十分ではなくオンライン面接に不具合があった
・学生との関係が築きづらく内定辞退への対策が不十分になる
 
といった懸念があります。

その結果、学生にとって、内定をもらっても承諾をするための情報が十分ではなく、受諾を決められない。企業側にとっても、内定を判断するための情報が不十分で内定を見送ることにもつながり、採用活動そのものが長期化する可能性があります。

オフラインでの採用活動においては、感染症対策が求められますが、企業・学生双方からオフラインを望む声があることも事実です。企業としては、多人数に同様の話をする必要がある説明会などはできるだけオンラインで、個別に学生とのコミュニケーションを深める必要がある面接などは十分な感染症対策をした上でオフラインで行うなど、オンラインとオフラインの双方を、場面ごとにうまく使い分けていく必要があるでしょう。

オンラインの新卒採用では、スマートフォンにも対応する必要も。

オンラインでのやり取りにおける注意点として、学生のIT環境に配慮する必要があることが挙げられます。学生のなかにはパソコンを個人で所有せず、基本的なやり取りはすべてスマートフォンという例も少なくありません。そのような学生に対して、ビジネス用途のコミュニケーションツールを活用するように求めることは難しいでしょう。スマートフォンでも使用できるアプリなど、直感的で使いやすいツールの活用を検討しましょう。

また、会社説明会などは、従来のイベント型ではなくオンラインで開催し、たとえオンラインでも、会社の特徴、社内制度、どんな人が働いているか、などといった、学生が知りたい情報が適切に伝わるコンテンツづくりが大切です。

オフラインの新卒採用では、徹底したコロナ対策も企業アピールにつながる。

一方、面接などの採用活動をオフラインで行う際は、当然、十分な感染症対策が求められます。ビジネスの現場では商談などのオンライン化が進み、顧客を訪問する機会は減少傾向にあります。しかし採用活動においては、企業は学生の行動を把握しにくいため、感染者が出た場合の対応が後手に回り、職場クラスターが発生するリスクが生じてしまいます。
対面時の、手指の消毒、マスクの着用はもちろん、面接時の室内は最小限の人数とし、面接内容をWEBカメラで同時に別室で視聴する、録画して確認できるようにする、などといった工夫も必要になります。

十分な感染症対策は、学生へのアピールにもつながります。先進性やデジタルシフトは、学生が企業に好感を持つポイントになり、他の企業との差異も印象に残るはずです。面接時に最新の感染症対策ツールが導入されていれば、学生に好印象を与えられます。企業の健康経営への取り組みをアピールするためにも、積極的に導入を検討したいところです。

withコロナ時代の新卒採用活動は、オンラインとオフラインとの適切な使い分けが課題であり、ハイブリッド型の採用活動を、いかにうまく実現するかが勝敗のカギとなるのかもしれません。

オンラインでは、社員の働く姿や会社の雰囲気が伝わるコンテンツを提供し、他社と差別化することが大切です。

オフラインでの感染症対策は、企業ごとの実施内容に差が出やすく、企業に訪問した学生が実際に体験することにより、印象に残りやすいポイントです。

企業が社員の健康や安全に配慮をしていることは学生にとって好印象であり、少子化の中で学生の親にも安心して企業を選んでもらうという点でも重要になっていくのではないでしょうか。

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