「顔認証を導入したいが、入退室も管理したい」「顔認証による入退室管理システムがどのように活用されているのか知りたい」入退室管理システムに顔認証の仕組みを導入し、管理を効率よく行いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
顔の情報で個人を識別できる「顔認証」ですが、入退室管理機能が備わっている顔認証システムも存在します。そこで本記事では、顔認証による入退室管理システムの仕組みやメリット、活用シーンについて紹介します。
顔認証による入退室管理システムの仕組みとは?
顔認証による入退室管理システムでは、ディープラーニングされた高度なAIを使って、社員や来訪者の「顔認証」を行い、入退室を管理します。「目」「鼻」「口」や「輪郭」などから照合することで、入退室しようとしている人が「誰なのか」を識別できるのです。認証はもちろん入退室時刻の記録もできます。入口、出口のドアと連動させることで、誰が、いつ、どのドアで、入室・退室したのかを記録します。
また顔認証技術を用いた入退室管理システムはセキュリティレベルが高いことから、オフィスやマンション、ホテル、空港、テーマパークなどさまざまなシーンで活用されています。
顔認証による入退室管理システムのメリット
顔認証による入退室管理システムにはどのようなメリットがあるのでしょうか。特に押さえておきたいのは以下の4点です。
1.ICカードやパスワードよりもセキュリティレベルが高い
2.入退室に必要な情報を一元化できる
3.急いでいるときでも入館がスムーズに
4.社内や施設内の感染症対策にもなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ICカードやパスワードよりもセキュリティレベルが高い
顔認証では「顔」をカメラに向けて本人を認証します。そのためICカードやパスワードが必要ありません。ICカードやパスワードは盗用・不正利用されるリスクがありますが、顔認証ではその可能性が低く、ゲートを設置することで、エントランスなどで見られる「共連れ」も防ぐことができます。
2.入退室に必要な情報を一元化できる
顔認証なら、入退室に必要な情報を一元化できます。社員や現場スタッフの場合、ICカードや社員証・鍵など入退室に必要なものを複数持ち歩いている人も多いでしょう。ロックを解除するためのツールがたくさんあると、入退室に時間がかかってしまいます。さらに鍵の管理の手間も発生します。「顔認証システム」を導入することで、複数のツールを持ち歩く「わずらわしさ」がなくなり、鍵の管理の手間も軽減できます。
3.急いでいるときでも入館がスムーズに
顔認証は「顔」の情報だけでロックが解除されるため、両手が塞がっているときでも入退室が可能です。認証スピードも早く、鍵を差し込んだりパスワードを入力したりする手間もかかりません。そのため、イベントなどでは「待ち時間の削減」にもつながります。オフィスの場合、スムーズな入退室により生産性向上にも寄与します。
4.社内や施設内の感染症対策にもなる
顔をカメラに近づけるだけの顔認証システムは、非接触認証のため、暗証番号の入力や鍵の使用などの接触機会がありません。そのため、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策にも有効です。システムによってはマスクを付けた状態でも認証可能で、マスク着用の有無や温度の検知など、コロナ禍に役立つ機能を揃えているシステムもあります。
顔認証による入退室管理システムの注意点
顔認証による入退室管理には多くのメリットがありますが、いくつかの注意点もあります。特に気を付けたいのは以下の2点です。
1.屋外設置には注意が必要
顔認証システムは屋外設置が難しいというデメリットがあり、光の向きや強さ、雨、塵など、環境によって認証精度が落ちる場合があります。屋外に置くことは不可能ではありませんが、設置を検討する際は、設置場所の光線状況、カメラに防水や防塵機能が付いているかなどを確認しましょう。
2.利用者のプライバシーを守る必要がある
顔認証では「顔のデータ」が保存されます。このデータは個人情報となり、運用には利用者側の理解が必要です。また、収集したデータの取り扱いにも注意が必要になります。情報漏洩を防ぐためには、データの暗号化やアクセス制限などの機能が付いているシステムを選びましょう。
コロナ禍での活用事例
最後に、顔認証による入退室管理システムの事例をご紹介します。コロナ禍における活用事例をピックアップしますので、検討にお役立てください。
事例1:
顔認証を活用した温度検知システムで社員の健康を守る
A社では、本社の入館ゲートにAI温度検知ソリューションを設置。顔認証と温度検知がわずか0.5秒で実施できるため、コロナ禍におけるオフィスの入退室管理に活躍しています。
認証後、入館用のゲートが開く仕組みとなっており、登録された社員以外の侵入を防ぎます。また、セキュリティレベルが高いだけでなく、社員の健康管理も同時にできる点が大きな特長です。異常な温度が検知された場合にアラートが鳴るように設定し、感染症対策に役立てています。
事例2:
大学施設への入退室管理で新型コロナへの感染を防ぐ
郊外に大きなキャンパスを持つB大学。
多数の学部を持つ総合大学で、毎日数千人の大学生が出入りしています。同大学ではコロナ禍における不要不急の通学を避け、通学時には関係者のマスク着用を義務付けました。
さらに大学内の各施設では、入館する際にサーモグラフィ付きの顔認証デバイスを使った「温度検知」も実施。異常温度の検知はもちろん「マスクの着用の有無」も検知できるため、感染症対策に役立っているそうです。
入退室履歴を自動記録している施設もあり、食堂やラウンジなどの「飲食スペース」では重点的にコロナ対策を実施。併せてソーシャルディスタンスの確保などの対策も行うことで、相乗効果が生まれているといいます。
事例3:
中学校での新型コロナ対策と教職員の体調管理
新型コロナ対策のために、時差登校や分散登校を徹底しているB中学校。
ウイルスを校内に持ち込ませないために、学校の入口には「サーモグラフィ付き顔認証システム」を導入しました。生徒はもちろん、教職員や取引先まで、学校に出入りするすべての人に温度検知とマスクの着用をお願いしているといいます。また客観的な検知だけでなく、自己申告式の健康観察表も併用することで、一人ひとりのプライバシーに配慮しています。
多くの生徒と接する「教職員」に風邪に似た症状が出た場合は、積極的に休みを取るよう促すなど、多方面からの対策を整えているそうです。
コロナ対策として入退室管理に「顔認証」を導入しよう
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ぜひ本記事の内容を、顔認証システム・入退室管理システムの導入検討にお役立てください。