「顔認証システムの導入を検討している」
「顔認証がどれくらい安全なのか分からない」
「顔認証のセキュリティについて詳しく知りたい」
本記事はそのような方向けの記事です。
日常生活において、スマートフォンで顔認証をおこなうことが当たり前になってきている昨今。企業においても、セキュリティ向上のために「顔認証」を導入するケースが増えています。
しかし、本当にセキュリティ面が安全なのかどうかは気になるところ。そこで本記事では、顔認証のセキュリティについて徹底解説します。
顔認証は高いセキュリティレベルでスムーズに認証できる
顔認証とは人物の「顔」から本人を特定する認証方法で、身体的または行動的な特徴をデータベースに登録し、そのデータベースと照らし合わせることで本人を特定します。そのセキュリティレベルは高く、主に目、鼻、口、輪郭などから本人を識別するのが特徴です。
ICカードなどと比較して「なりすまし」が難しいため、高いセキュリティレベルを保ちながら、スムーズに認証できるというメリットがあります。具体的には、カメラに顔を向けてからわずか1秒前後で認証される、ハンズフリーで認証される、などがあり、オフィスや施設など様々な場所で使用されています。
また、指紋認証や静脈認証のように機器に触れる必要がないため、新型コロナウイルスなどの感染症対策にも役立ちます。
※アフターコロナを見据えた顔認証システムをご検討の方はこちらの記事もご参考ください。
顔認証はどのような技術でデータを取得しているのか?
顔認証の仕組みには「AI」が使われています。データベースを元に自動的にデータを抽出する、ディープニューラルネットワークでディープラーニングされた「AI」を活用し、オフィスや店舗の入口などに設置されたカメラで顔の情報を読み取り、データベースにあらかじめ登録済みの顔データと照合して、本人認証をおこないます。
また、顔認証には「エッジ型」と「サーバー型」の2種類があります。
エッジ型は、カメラとデバイスがセットとなったエッジデバイスで顔認証を実施し、サーバー型は、カメラ映像をサーバーに送り、サーバーで顔認証を実施するタイプです。
※顔認証の仕組みについてはこちらの記事でも解説しておりますので、あわせてご確認ください。
顔認証を活用したシステムのセキュリティレベルは高い?
顔認証はセキュリティレベルが高く、かつ、スムーズに認証ができるとお伝えしましたが、「どれくらいセキュリティレベルが高いのか?」という点が気になる部分ではないでしょうか。そこで、顔認証のセキュリティレベルについても解説していきます。
顔認証のセキュリティレベルは高い
顔認証システムは、国際空港や金融機関など、高いセキュリティレベルが求められる現場でも活用されていることから、数ある生体認証の中でも高い部類と言えます。また、ICカードの貸し借りや、指紋の複製など「なりすまし」をされてしまうリスクが存在しますが、生体検知機能をもつ顔認証システムでは、そのような「なりすまし」リスクも軽減できます。
2Dと3Dのシステムがある
顔認証システムには、には、RGBカメラから本人を検出する「2Dシステム」と、RGB+赤外線カメラでデータを取り込み、顔を立体的に認識する「3Dシステム」が存在し、メーカーやシステムによって採用方法は異なります。前述の生体検知機能には赤外線カメラが必要なので、「3Dシステム」の方がセキュリティレベルが高くなります。
2D顔認証システムの特徴
カメラで撮影した画像から「目」「鼻」「口」「輪郭」などの位置関係を計測します。計測結果を元にデータベースから本人を識別する仕組みです。メリットは、特殊なセンサーが必要なく一般的なIPカメラで導入できること。ただし化粧や照明の明るさなどに影響されやすいというデメリットがあります。
3D顔認証システムの特徴
2Dでの認証に加えて「赤外線カメラ」を使って顔の凹凸などの特徴をデータ化し、データベースから本人を識別します。顔の奥行きやコントラストイメージまでを細かく分析するため、化粧や大幅な髪型変更、照明の明るさなどの影響が少ないことがメリットです。そして、奥行きを検知できるため、写真や動画での「なりすまし」を防ぐことができます。
一方で専用カメラの導入が必要になるため、コストがかかるというデメリットがあります。
顔認証の活用時は情報セキュリティに注意する
顔認証は高いセキュリティレベルを誇りますが、活用時に注意したいポイントがいくつかあります。
情報が漏洩してしまった場合の対応が難しい
顔認証を含む生体認証は「本人以外を認証させない」という、高いセキュリティレベルを誇りますが、「生体データ」が漏洩してしまうと迅速に対応できない、というリスクがあります。
漏洩してしまった情報がパスワードであれば即時に変更可能ですが、顔データを含む「生体データ」の変更は難しいため、情報漏洩への対策をより高いレベルで講じる必要があります。
システムによって認証精度に差がある
テクノロジーが発展した現代では、さまざまな顔認証システムが開発されています。しかし数が多いがゆえに、システムによって精度に差があるのも事実です。たとえば、顔の経年変化や髪型の変化を識別できなかったり、マスクやメガネの着用に対応していなかったりするケースもありますので、導入前の確認は必須です。
認証精度を把握せずに導入してしまうと誤った本人認証が多発し、必要なセキュリティレベルを維持できなくなるかもしれません。特に、コロナ禍ではマスクの常時着用が基本となっているため「マスク着用時の認識レベルが低い」顔認証システムの導入は避ける必要があります。
JCVの提供する顔認証システムは、認証精度、セキュリティともに高い水準を誇っています。登録写真が精度よく認証で使えるかどうかのクオリティチェックをはじめ、マスクをしたままでの認証、生体検知などさまざまな機能を搭載しております。セキュリティレベルの高い顔認証システムの導入を考えている方は、ぜひご検討ください。
顔認証の活用によりセキュリティが高まった事例
それでは最後に、顔認証を活用することでセキュリティが高まった事例をいくつかご紹介します。特に押さえておきたいのは以下の3つの活用方法です。
- オフィスの入退室管理
- スマートフォンやPCのログオン
- 要注意人物の来店通知
1. オフィスの入退室管理
1つ目は「オフィスの入退室管理」です。IDカードやパスワードの代わりに「顔認証」を導入し、社員の入退室管理をおこないます。自動ドアや電気錠など連携させて、社員や取引先の特定人物など「あらかじめ登録された人」しか入室できないように設定することで、不正な入退室をシャットアウトできます。
※顔認証を活用した入退室管理システムについてはこちらで詳しく解説しておりますので、ご参考ください。
2. スマートフォンやPCのログオン
2つ目は「スマートフォンやPCのログオン」です。社員に社用PCやスマートフォンを配布している企業も多いのではないでしょうか。そういった場合に、PCやスマートフォンに「顔認証システム」を導入することで第三者からの不正アクセスを防ぎます。特に社用PCやスマートフォンでは機密情報も扱うため顔認証は大いに役立つでしょう。
3. 要注意人物の来店通知
3つ目は「要注意人物の来店通知」です。あらかじめ顔認証システムに要注意人物などの顔を登録しておくと、該当者が施設に来訪した際に「通知」が送られます。そうすることで警備員が迅速に対応でき、店舗や施設全体のセキュリティレベルを上げることにつながるのです。
セキュリティを高めるためにも「精度の高い顔認証システム」を導入しよう
お伝えしたように、他の認証方法と比べると顔認証のセキュリティレベルは高いですが、システムによって精度に差があるので注意が必要です。そのため、ただ「顔認証」ができるだけでなく精度やセキュリティレベルの高いシステムを選ぶことが大切です。
世界最高峰の画像認識・顔認証テクノロジーを活用した映像解析や温度検知など、多彩なソリューション・SDK(ソフトウェア開発キット)を展開している日本コンピュータビジョン株式会社(JCV)。エッジ・サーバーはもちろん、モジュールやSDKも含めた幅広い顔認証システム製品を提供しております。