コラム

顔認証システムの導入店で起こった変化とは?人とシステムの共存でビジネスは大きく変わる

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急速に活用が広がっている顔認証システムですが、実際に導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

顔認証はスマートフォンのロック解除や医療機関での検温など身近な技術になりつつありますが、その魅力の一つは多くの作業を自動化できることにあると言えます。

人材不足解消や感染防止、防犯対策など使い方によって非常に広い範囲を顔認証システムはカバーします。

この記事では、顔認証システム導入によるメリットや、応用のアイデアをご紹介します。

顔認証システム活用の拡大

店舗では人材不足や感染対策などの社会情勢が向かい風となってしまっていることが多く、人手に頼った運営方法では打開することが困難なケースも増えてきました。

そこで近年注目を集めているのが、顔認証システムです。
顔認証システムの機能は店舗運営との親和性が高く、人材不足の解消や感染対策、店舗経営のマーケティングにも繋げることができます。
それぞれどのような活用が考えられるのか、以下にご紹介します。

1. 人材不足
従業員の作業を顔認証システムが代替することで作業工数を削減し、少ない従業員数での店舗運営を後押しすることができます。
顔認証決済や自動検温を始めとし、お客様の属性情報や店舗内の行動データをもとにした施策の立案など、人材不足に対する幅広い対応の実現に繋がります。

2. 感染対策
a.顔認証決済

顔認証システムにより決済を行うことで、レジ前の混雑を緩和します。
顔認証決済は従来の非接触型決済と比較し、物理的なデバイスやカードが不要です。
そのため、これまで以上にスピーディで手間のかからないお会計が実現されます。
b.自動検温
感染防止対策の一環として、発熱時の入店を控えるようにお客様へご案内している店舗は多くあります。
しかし、本人が発熱や体調不良を自覚していない場合はどうでしょうか。
非接触型の自動検温機能を搭載したデバイスを利用すれば、従業員も含めて店舗に入る際の体温を客観的に計測することができます。
これにより発熱している方を検知し、店舗内の安全性向上を実現します。

3. マーケティング
顔認証システムで客観的で正確なお客様の属性情報を自動収集することが可能です。
属性に合わせた個別のマーケティングはもちろん、店舗内の導線を可視化することで効率的なレイアウトの検討や、お客様の購買プロセス分析にも活用することができます。

顔認証システムが注目される理由

様々な自動化システムが存在する中で、なぜ顔認証システムの利用が拡大しているのでしょうか。
顔認証システムの基本的な機能と店舗運営の相性が良いこともありますが、使い方によって様々な課題にアプローチできる汎用性の高さも魅力の一つです。

顔認証システムは、大きく分けて3つのステップによって機能します。


1. 顔データの登録
認証に必要な顔データをシステムに登録します。
ここで登録された顔データと、顔認証デバイスにかざした顔を照合することになります。

2. 顔の認識、認証
顔認証デバイスにかざされた顔を顔認証システムが分析します。
このステップ行われる顔認証システムの動作は、大きく2つのパターンに分かれます。
a.顔の認証
かざされた顔と事前に登録された顔データを比較し、一致しているかどうかを判定します。セキュリティ関連の機能で使用されることが多く、自分の顔がパスワードや鍵の代わりになることが主なメリットです。
テーマパークやイベント会場であれば、保有しているチケットの確認などにも利用することができます。
b.顔の認識
かざされた顔から、年齢や性別、表情などをシステムが認識します。
お客様の属性データ収集などの動作はこちらの方法で行われており、事前に顔データが登録されていなくても実現することが可能です。

3. 認証・認識後の処理
上述のステップを経て、指定した条件(顔の合致や特定の属性など)に当てはまった場合に特定の処理をシステムが行うことができます。
スマートフォンであれば顔の認証が成功した場合にロックを解除しますが、この「ロックを解除する」処理がこのステップです。
もちろん、認証に失敗した場合の動作を設定することも可能です。

顔認証システムは、内部的には非常に複雑なアルゴリズムで動作しています。
しかし、顔認証システムの基本的な動作は、上記の流れを把握するだけでもイメージしていただけるのではないでしょうか。

顔を認証(認識)した時に顔認証システムがどのような動作を行うかをユーザーが設定することで、高い応用力と汎用性が実現されています。

使い方次第で顔認証システムの価値はさらに高まる

ここまで、顔認証システムの基本的な機能と仕組みをご紹介してきました。
これだけでも大きなメリットがあり、実務で役立たせることもできるでしょう。

しかし、上述のようなベース機能から更に発展させ、応用的な活用をすることで顔認証システムのメリットはさらに大きくなります。

自社にマッチした使い方を模索していくことが重要になりますが、ここでは活用方法の一例をご紹介します。

1. お客様の行動を可視化し、店舗内レイアウトの改善に応用
収集した顔データをもとに、お客様がどのような経路で買い物を行ったのかを可視化するとどうでしょうか。
店舗内のレイアウトが様々な検討の末に決められていたとしても、お客様は予想外のルートで店内を物色しているかもしれません。
また、意識していなかったターゲット層が特定の商品に興味を示している可能性もあります。
顔認証システムによる大量のデータ収集能力により、このような発見をできる可能性は格段に高まるでしょう。
それにより、新しいレイアウトのアイデアや、ターゲット層が滞在しやすい場所に特定の商品を配置するなど、客観的なデータを活用した店舗戦略を立案することに繋がります。

2. 商品棚の在庫管理
商品棚の状況を監視し、在庫が少なくなった商品を従業員へ通知することが可能です。
在庫切れによる機会損失を防止し、従業員の目視確認工数の削減に繋がります。

3. 顔を登録しているお客様の位置情報を取得
GPSに頼らず、顔認証システムによる画像認識によりお客様が店内のどこにいるのかを特定することができます。
滞在位置や移動経路により指定したコンテンツの配信を行えば、新しい遊びや体験の創出に繋がるかもしれません。
また、小さな子供が来店する店舗であれば迷子の捜索にも応用が効きます。
トラブルや犯罪の恐れがあるため、迷子の捜索は迅速に行われなければなりません。
しかし、広い店舗内でひとりの子供を捜索することは大きな工数が必要です。
顔認証システムで自動的に迷子の捜索を行うことで、お客様の安心と従業員の工数削減の両方を実現することに繋がります。

このように、顔認証システムは使い方次第で幅広い効果を実現できます。
業務効率化やセキュリティ向上、お客様の体験をより良いものにできれば導入コストを上回る価値を期待できます。

まとめ

顔認証システムを導入した店舗では、経営にどのような変化を期待できるのかをご紹介しました。

顔認証システムの基本的な考え方は、上述した3ステップのように比較的シンプルなものです。
この上で、自社が使いやすい顔認証システムサービスを選択すれば、経営層だけではなく従業員からも新しい活用方法が生まれるかもしれません。
顔認証システムは未来の技術ではなく、既に実用できる状態になっています。

読者の皆様が顔認証システム導入を検討する一助となれば幸いです。

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