近年のホテルは、チェックインの手間や混雑防止に効果を発揮する「非接触チェックイン」の導入を積極的に進めています。
感染防止対策としても有効な非接触チェックインですが、従業員の業務効率化やスムーズなチェックインによる顧客満足度の向上にも非常に効果的と言えます。
この記事では、非接触チェックインの概要やメリデメ、注目を集める顔認証による非接触チェックインについて解説します。
ホテルの非接触のチェックインとはどのようなものか
活用が広がる非接触チェックインは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
ここでは、非接触チェックインの基本的な概要をご紹介します。
非接触チェックインとは
宿泊者がチェックイン機を操作することで、チェックイン/チェックアウトの手続きを完結できるサービスです。スマートチェックインとも呼ばれます。
宿泊者が自身の情報をチェックインシステムに入力し、ルームキーを受け取る流れが一般的です。
宿泊者の目線では、ホテルのフロントで行っていた手続きを、システムを操作して行う形になります。
必要な情報はフロントでの手続きとほぼ変わらず、操作も簡単なため初めての利用でも戸惑うことは少ないでしょう。
セルフチェックインの種類
セルフチェックインは、QRチェックインと顔認証チェックインが代表的です。
1.QRチェックイン
予約時に宿泊者自身の情報を登録し、発行されたQRコードを読み取り装置にかざすことでチェックインが完了します。
2.顔認証チェックイン
予約時に宿泊者自身の顔情報を登録し、現地の顔認証カメラに顔をかざせばチェックインが完了します。
多くのチェックインシステムでは、現金やクレジットカード、各種電子マネーに幅広く対応しています。シンプルな操作でチェックイン手続きが完結されるため、フロント従業員の工数削減はもちろん、宿泊者の負担も削減される傾向にあると言えるでしょう。
このように、非接触チェックインとは非対面でのフロント業務を実現するサービスとも言えるでしょう。
ホテルの非接触チェックインにおけるメリット・デメリット
非接触チェックインシステムは、主に大手ビジネスホテルやリゾートホテルで活用されています。
近年では比較的低価格で利用できるサービスも登場しており、小規模な宿泊施設でも利用が拡大する可能性は大いにあります。
これからの導入を検討する宿泊施設は、非接触チェックインシステムのメリット・デメリットを理解し、自社でどのように活用していくのかをしっかり検討することが大切です。
非接触チェックインのメリット
1. フロント業務の削減
定型的な手続きのみであれば、多くのチェックインサービスでフロントの無人化が可能です。
チェックイン時:宿泊者の情報受付を行い、ルームキーを発行。
チェックアウト時:宿泊者からルームキー返却を確認し、チェックアウト処理を実行。必要に応じて、クーポン券の配布なども可能です。
2. 宿泊者のストレス軽減
多くのホテルでは、時間帯によってフロントが混雑するタイミングがあります。
非接触チェックインにより手続きが簡略化されるため、従来の手続きと比べて混雑の緩和を期待できます。
また、深夜時間帯はフロントが不在になりチェックインを行いにくくなるケースもありますが、24時間稼働する非接触チェックインであればそのような心配もありません。
3. 言語が異なる方の対応スムーズ化
多言語を扱える従業員が不在の場合、言語が異なる方への接客が難しくなってしまうケースがあります。
簡単な手続きであるはずなのに必要以上の時間がかかってしまい、従業員と宿泊者の双方が不利益を被ってしまう場合もあるでしょう。
特に、観光で来日している外国人旅行者であれば、その対応一つでホテルへの評価が変わってしまう可能性もあります。
多言語に対応する非接触チェックインシステムであれば、そのようなリスクが削減され、多くの宿泊者に快適な環境を提供することにつながります。
4. 感染防止対策の推進
フロントの無人化や少人数化が実現されれば、その分人同士の接触が削減されることになります。
感染リスクに敏感なお客様の安心につながるほか、宿泊者と従業員双方の安全性の工場を期待できるでしょう。
非接触チェックインのデメリット
1. 機械が苦手な宿泊者からは敬遠される可能性が高い
非接触チェックインシステムは簡単な操作で手続きを済ませられますが、機械であることに変わりはありません。
機械の操作が苦手な方にとっては、それだけでそのホテルを避ける理由になる可能性もあります。
また、手続きの効率化だけではなく、人間の従業員からしっかりとサービスを受けたいと考える方も多くいらっしゃいます。
このように、非接触チェックインシステムには多くのメリットがあります。
しかし、従業員による気の利いたサービスも宿泊施設の魅力として大切な要素です。
導入の前にメリット・デメリットを整理し、宿泊者層や運営形態にマッチした方法をよく検討する必要があります。
顔認証システムによるホテルの非接触チェックイン
顔認証システムを応用した非接触チェックインも、近年活用が急速に拡大しています登場しています。
現在スタンダードな非接触チェックインシステムも大変便利な機能を取りそろえていますが、顔認証システムによりさらなる利便性の向上を期待できます。
顔認証チェックインシステムの特徴
顔認証システムは、かざされた顔を認証し、属性情報の分析を行うことができます。
それにより、以下の機能を実現することが可能です。
1. 宿泊者の属性分析
宿泊者が顔認証システムのカメラに顔をかざすことで、年齢や性別といった属性情報を取得することができます。
収集した属性情報をさらに分析することで、正確な客層データから導き出された効果の高いマーケティング施策を打ち出すこともできるでしょう。
2. デバイスやルームキーが不要になる
客室の鍵と宿泊者の顔情報を紐付ければ、ルームキーも不要になります。
宿泊者は、自分の顔を顔認証キーとして使うことができ、ルームキー不要で入退室することが可能です。
そのため、ルームキーを室内に置き忘れてしまう、ホテル内の施設で紛失してしまうなどのトラブルを避けることにも繋がります。
3. 自動検温
検温機能を搭載した顔認証カメラであれば、顔認証を行うタイミングで非接触での検温を行うことができます。
発熱を自覚していない方を検知できるため、感染防止対策の質はさらに向上するでしょう。
顔認証チェックインは、従業員と宿泊客者の負担をさらに軽減することができます。
▶️ ホテルの顔認証システム導入についての詳しい解説
「顔認証によりホテルの業務が変わる!顔認証チェックインの効果とは?」
ホテルでの非接触手続き導入事例
実際にホテルで行なわれている非接触手続きを紹介します。
QRコードによる非接触チェックイン
国内のビジネスホテルチェーンでは、一般的に利用されるメッセージサービスのQRコード機能を活用し、QRコード機能コードによるチェックインサービスを行なっています。
宿泊者情報を事前に登録しておき、チェックイン時にQRコードをかざすだけでルームキーが発行され、チェックインが完了する仕組みです。
ホテルから出発する際にQRコードの読み取り機にルームキーを返却することで、チェックアウトが完了します。
顔認証によるスマートなチェックイン
大手不動産企業が手がけるホテル会社では、顔認証システムによるチェックインサービスを提供しています。
事前に顔情報を登録して精算が済んでいれば、最短30秒程度でチェックインが完了します。
また、客室に設置されたタブレット端末の操作でチェックアウトを行なうことが可能です。
ホテルのチェックインからチェックアウトまで一切フロントに立ち寄ることなく手続きが完了するため、宿泊者とホテル双方の手間の削減に繋がっているのではないでしょうか。
ホテルの非接触化で効率化や顧客満足度の向上も期待できる
非接触チェックインはホテルと宿泊者双方にとってメリットがあり、今後も拡大していく可能性は高いと言えます。
複数のサービスが存在しているため、導入を検討する際は比較検討を怠らず、自社が望んでいる機能を搭載し、客層にマッチしたサービスを吟味することが大切です。
さらに顔認証システムを組み合わせることで、従来の非接触チェックインから一歩進んだサービスを検討することもよいでしょう。
顔認証システムは、使い方次第でチェックイン以外にも幅広く活用することができます。
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顔認証システムを活用したサービス提供について、こちらでも情報をまとめています。
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顔認証時代へ突入 サービス提供側が考えるべき利便性
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