接客業務はお客様の購買意欲や購買活動に多大な影響を及ぼします。
人々の感染防止に対する意識が高まり、対面での接客業務は感染リスクを考慮する必要に迫られました。
そんな中、新しい接客の形として非接触型の接客サービスが注目されています。
直接お客様と対面せずに、十分な接客サービスを提供するためにどのような方法が取られるのでしょうか。
この記事では、非接触需要が高まる現代社会で実現される新しい接客業務についてご紹介します。
完全な非接触を実現するオンライン接客とは
オンライン接客では、一般的な対面の接客業務とはコミュニケーションの質が異なります。
お客様に対してどのようにアプローチを行えばよいのか、工夫する必要があります。
オンライン接客の種類
代表的なオンライン接客の種類についてご紹介します。
SNS
TwitterやFacebookなどのSNSを利用した接客です。
お客様が日常的に利用しているためハードルが低く、企業からのアプローチが目に入りやすいことが特徴です。
企業側から発信を行うことでコミュニケーションにつなげる形が主流で、発信内容で興味を惹けば見込み顧客の獲得にも繋がります。
商品のアピールにはYouTubeなどの動画サイトも活用されており、多くの顧客へ情報を提供することが可能です。
チャット
1. チャットボット
お客様との対話形式で自動的に返答を生成するプログラムを利用し、テキストメッセージをやりとりするシステムです。
入力されたワードによってヘルプページを表示するなど、問い合わせ内容を判断して情報を提示することができます。
チャットボット専用のサービスは数多く存在しており、手軽にホームページに導入することが可能です。
一度設置してしまえば管理の手間が少なく、単純な問い合わせであればチャットボットで解決することを期待できるため、多くの企業で導入されています。
2. チャットオペレーター
チャットボットでは対応できない複雑な問い合わせや例外的な対応は、人による対応が必要です。
テキストメッセージであるため、URLなどの口頭では伝達が難しい情報でも確実に共有できるところが強みです。
問い合わせの窓口にチャットボットを設置し、解決しない場合はチャットオペレーターへ接続するなど、経路を工夫して工数削減に繋げている企業も存在します。
ビデオ通話
顔をカメラで写しながら接客を行う方法です。
お互いの顔を見ながら会話することができるため、対面での接客に近い感覚で利用することができます。
SNSやチャットと比較して手軽さは劣りますが、転職や保険の相談など、複雑になりやすく親身に接することが大切な話題であれば、こちらが適しているケースも多くあります。
また、コンテンツマーケティングの一環としてウェビナーを開催することで、より直接的に集客を行いコミュニケーションの足がかりにすることも期待できるでしょう。
お客様が実際に商品を手に取る必要がなければ、対面と同等の品質で接客を行うことができます。
オンライン接客には様々な方法があり、それぞれ利用するためのハードルも異なります。
自社が接客を通じて何を提供するのかを整理し、有効な方法を選択することが大切です。
オンライン接客のメリット・デメリット
自社に適した方法を活用できれば非常に便利なオンライン接客ですが、メリットだけではなくデメリットも存在します。
これらを明確にしていないと、せっかく導入したシステムで本来の恩恵を享受できない状態になりかねません。
メリット
オンライン接客のメリットをご紹介します。
接客工数の削減
従業員が店舗に出勤する必要がなく、オフィスから対応することが可能です。
適切な環境を整えることで、リモートワークでの接客も視野に入るでしょう。
また、SNSでの発信は少しの手間で多くのお客様へ情報を届けることができます。
適切な情報をわかりやすく発信して興味を惹くことができれば、企業の発信を積極的に閲覧するお客様も増えていきます。
接客の履歴が残る
接客で行ったやりとりをデータとして蓄積することができます。
蓄積したデータを分析することで、接客品質の向上施策や従業員の教育に活用することも可能です。
また、万が一トラブルが発生した場合でもその経緯が明確になり、接客内容に応じて適切な対処を行いやすくなります。
意思疎通ができる
お客様に案内するサイトのURLや作業手順など、口頭では難しい情報でも確実に伝達することができます。従業員から伝えることができる情報の量と質が向上し、顧客満足度を高めることにも繋がります。
感染防止対策
自宅やオフィスにいながらコミュニケーションを取ることができるため、完全な非接触が実現されます。店舗などで対面接客をする従業員は、1日に数十人から数百人と対面で会話することも珍しくありません。
オンライン接客により、リスクの高い現場で働く従業員の安全性を大きく向上させることができます。
デメリット
オンライン接客のデメリットをご紹介します。
システムの導入や運用にはコストがかかる
有料のシステムはもちろん、無料のシステムを利用する場合でも、運用方法の検討や改善するための内部コストは必要になります。
接客担当者の人件費を削減することはできますが、導入直後は予想外のトラブルも起こりやすいものです。
そのため、運用初期では想定外のコストが発生する可能性を認識しておく必要があります。
お客様が実際の商品を手に取ることはできない
離れた場所でコミュニケーションをとるため、商品の説明は画像や動画がメインとなります。
形のない商品であれば問題になりませんが、アパレルやコスメなど実物の見た目が重要な商品であれば工夫が必要です。
AR技術を活用してその点をカバーする企業も登場しているため、今後一般化される可能性に備えて注目しておくのもよいでしょう。
オンライン接客はメリットだけではなく、理解するべきデメリットも存在しています。
導入の前に、自社の業務によい変化をもたらす方法をよく検討するとよいでしょう。
無料で始められるSNSやビデオ通話サービスもあるため、まずはスモールスタートで感覚を掴むこともよい方法です。
顔認証システムによる実店舗での非接触接客
オンライン接客が難しい業態のリアル店舗でも、非接触接客の推進は可能です。
顔認証システムを活用することで、実店舗ならではの接客を維持しながら部分的に非接触化を推進し、新しい接客の形を実現することができます。
顔認証システムを活用した接客
顔認証システムにより実現できるリアル店舗での接客例をご紹介します。
1. お客様の属性情報を活用した商品のレコメンド
顔認証システムでは、お客様の顔情報をもとに年齢や性別などの属性情報を認識することができます。
それにより、自社がターゲットとしている属性を持ったお客様に適切な商品をレコメンドする、広告やクーポンを配布するといった動的な接客が可能です。
従業員が直接お声かけしなくても狙い通りのアプローチを実現できるため、リアル店舗の接客を維持しながら非接触化を推進できます
2.顔認証決済
顔情報と決済情報を紐付けることで、お客様が顔認証デバイスに顔をかざすだけで決済を完了することができるサービスです。
顔情報で決済が完了するため、他の非接触決済では必須となるデバイスやICカードが不要です。
これにより決済時のタッチ操作も不要となり、より感染リスクの低い決済が実現されます。
紛失や不正利用のリスクが大幅に軽減されることも魅力のひとつです。
このように、顔認証システムの活用によりリアル店舗でも非接触化の推進は可能です。
顔認証システムの導入は、非接触化だけではなくリアル店舗ならではのサービスを創出することも十分に考えられます。
まとめ
コロナ禍の当初は必要に迫られて活用が広がった側面もある非接触サービスですが、現在では非接触ならではのメリットを享受するため積極的に導入を検討する対象となっています。
また、顔認証システムによる非接触化や、そこから広がる新しいサービスにも期待できます。
感染防止対策の一環としてではなく、自社のビジネスをさらに成長させるための一手として非接触サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
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