コラム

小売業界が抱える課題とは?有効なアプローチを解説

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生活になくてはならない小売業界ですが、業界内には様々な課題が存在しています。

労働人口の減少に加えてECサイトやサブスクリプションサービスなどの競合サービスの台頭により、現状に苦慮している小売企業も多いのではないでしょうか。
現状を打開するためには、課題を整理し顔認証技術や画像認識AIを活用した業務の変革が課題解決のアプローチとして考えられます。

この記事では、小売業界の課題とそれに対する顔認証技術や画像認識AIを活用したアプローチにはどのようなものがあるのかを紹介します。

社会環境の影響を受けやすい小売業

最終消費者が顧客となる小売業は、社会情勢や気運の影響を受けやすい業界と言えます。

外出自粛の影響や不況による買い控え、為替レートによる商品価格の乱高下など、多くの環境に対応しなければなりません。
コロナ禍以前よりECサイトの利用率は高まっており、リアル店舗へ足を運ぶ消費者の人数は減少傾向にあります。

多くの外部要因により小売業界では様々な課題を抱えています。

小売業界が抱える課題

様々な要因が絡む小売業の課題は多種多様です。
ここでは、多くの小売業に関係する「人手不足」「ECサイト」「競合サービス」について考えます。

人手不足

小売業界では深刻な人手不足が慢性的に続いています。
根本的な労働人口が減少している面もありますが、小売業界は労働時間の長さや有給休暇の使いにくさが目立ちます。

業種を16分類した際の小売業
1日の所定労働時間の長さ:16業種の中で6位
年次有給休暇の取得率:16業種の中で14位

参考:厚生労働省 令和3年度就労条件総合調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/index.html

現代では働き方の多様化もあり、労働に対する価値観は人それぞれです。
プライベートを充実させることに重きを置く労働者も多く存在します。
そのため、理想的なワークライフバランスを実現しやすい職種に求職者が集まりやすい傾向にあります。

ECサイト利用者の増加

近年では、食品などの日用品もECサイトでの買い物で済ませる人が増えています。
リアル店舗がショールーム化してしまうケースもあり、店舗に足を運んでも商品の実物を確認したらECサイトで購入する消費者も存在し、課題のひとつとなっています。

サブスクリプションやシェアリングサービスの台頭

消費者の嗜好が「モノを所有する」ことから「モノやサービスを利用する」形に変化している傾向があります。
サブスクリプションサービスや電子書籍、カーシェアリングなど、実物を所有しなくても同等の体験ができるサービスが多く存在し、人気を集めています。

リアル店舗にとって不利に働いてしまう環境が、少なからず存在しているのではないでしょうか。
人口減少に伴う競争激化を避けることは難しく、店舗として先を見据えた対策を講じる必要があります。

小売業界が抱える課題解決へのアプローチ

このような状況を打開するには、どのようなアプローチが考えられるでしょうか。
ここでは、「業務効率化」「データの収集・活用」「ECサイトの検討」「サブスクリプションにおける競合との差別化」の観点を紹介します。

業務効率化

人手不足により従業員への負担が増加し、労働環境が過酷になってしまうことで、さらに人手不足に陥ってしまう悪循環があります。
根本的な労働人口の減少もあるため、業務効率を向上させて必要な工数を削減することが大切です。
業務効率を向上させるためには、以下の方法が考えられます。

1.レジの効率化
セルフレジや電子マネー決済など、多くのレジ向けサービスが展開されています。
近年では顔認証決済の利用が広がっており、お客様は文字通り顔パスでお会計を済ませることができるため、さらなる効率化が期待されます。

2.在庫管理
陳列棚を従業員が確認し、補充を行なうことは、実店舗で当然行なわれるオペレーションです。
近年では画像認識AIの活用により、在庫棚のチェックを自動化する動きが出てきています。
商品棚の状況と在庫を照会し、発注業務に繋げることができれば大幅な業務効率化に繋がるのではないでしょうか。

データ収集・活用

前述した顔認証決済では、決済機能だけではなくお客様の属性情報(年代や性別など)を収集することができます。
これにより自店舗のお客様属性を正確に把握し、これまで以上に実態に即したマーケティング戦略を練ることに繋がるのではないでしょうか。
それにより効果的な施策を打ち出し、顧客満足度の向上や消費活動の活発化を期待できます。

生体認証を導入したECサイトの検討

リアル店舗の営業時間や販売員に影響されずに営業することが可能なECサイトは、商圏の拡大を期待できます。
社会情勢の影響もあり、ECサイトは利用者の抵抗が少なくなったため、魅力的な商品がお客様の目にとまればそのまま購入に繋がることも多いです。

現在では、顔認証などの生体認証をECサイトに導入する企業が増えています。
パスワードの漏洩や不正アクセスのリスクを大きく軽減し、ECサイトの利便性をそのままにセキュリティを盤石にすることが可能です。
配送作業などの店舗オペレーションや、ECサイトの運営については事前に検討し、自店舗で実現可能かを確認する必要があります。

サブスクリプションでのAR技術活用

サブスクリプションサービスを提供することで、定額で様々な商品を利用したい顧客のニーズを満たすことができます。
企業側にも、1つの商品を複数の顧客に利用してもらうことで在庫を削減する、定額サービスにより収益が安定する、売れ筋商品ではなくても一定期間のレンタルであれば利用する顧客が存在するなど、多くのメリットがあります。

進化が進むAR技術を活用し、サブスクリプションで扱う商品をWeb上で疑似体験してもらうなどのサービスの導入も始まっています。
サブスクリプションの普及が進む中で、競合サービスとの差別化を期待できます。

従来のように従業員の工夫や努力だけではなく、根本的な業務の変化が大切であると考えられます。

これからの小売業

社会環境に起因した課題は解決が難しく、人間の努力だけでは対応に限界があります。
この状況を打開するためには、デジタル技術とデータを利活用した根本的な業務改革が必要です。
近年では顔認証技術や画像認識AIの技術が大きく進歩しており、実業務に大きな効果を発揮するサービスも多く登場しています。
これらのサービスを上手に活用し、店舗の効率化やデータに基づいた経営戦略を立てることで、課題解決のアプローチになるのではないでしょうか。

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