空港やテーマパーク、オフィスの出入り口など、様々な場所で入退場を制御するゲートが利用されています。
すべての人を入場させず、許可された人物のみが入場できる環境を実現するためのゲートですが、近年では顔認証システムと組み合わせてこれまで以上の利便性を生み出していることをご存じでしょうか。
この記事では、従来のゲートの課題や顔認証システムによるアプローチ、実際に利用されているシーンを紹介します。
入退場を制御するゲートの課題
空港やオフィスなど、入退場を制御するゲートは多くのシーンで利用されていますが、課題も存在します。
モノの管理
カードやチケットなど、入退場を行なう人物は入退場に必要なモノを所持・管理する必要があります。
物理的なモノを紛失する、盗難の被害に遭うなどが発生してしまうと、入退場ができなくなるだけではなく場合によっては重大なセキュリティ事故にも繋がる恐れがあるでしょう。
混雑や行列
入退場を行なうための認証を行なう際は、ゲートの前で立ち止まって認証作業を行なう必要があります。
大人数が同じタイミングで入退場する場所では、行列や混雑が発生しているシーンを目にすることも多くあるのではないでしょうか。
感染症拡大のリスクはもちろん、業務であれば効率の低下を招く結果に繋がることもあります。
不正な入退場
ICカードや暗証番号による入退室管理は、利用者のモラルにより成り立っている面もあります。
ICカードであればカードを貸し借りする、暗証番号であれば暗証番号が漏洩することで、本来は許可されていない人物が入退場を行なうことも、仕組み上は可能です。
不正入場を可能な限り防止し、万が一発生した場合でもそれを検知・確認できる必要があります。
ログ
許可されている人物だけが特定の場所へ入退場できる状態を実現することが入退室管理の主な目的ですが、適切な入退場が行なわれていることを後から確認可能であることも重要です。
導入した入退室管理システムが期待した効果を発揮しているのかを確認し、問題があれば対処を行なうことで組織のセキュリティは強固になります。そのため、可能な限り当時の状況を明確に読み取れるログを出力することが入退室管理システムには求められます。
入退場をこれまで以上に安全なものにするためには、どのようなアプローチが考えられるでしょうか。
顔認証による課題へのアプローチ
顔認証システムは、入退場を安全かつ快適にするために有効な手段であると考えられます。
手ぶら認証
顔認証システムでは、認証用のカメラに顔をかざすだけで認証が完了します。
空港など荷物を持っているシーンや、物品の搬入を行なっているオフィス等、手が塞がっている状態で認証を行なうケースは多く存在するでしょう。
認証にモノを必要としない顔認証は、このような問題を解決する有効なアプローチと言えます。
もちろん、モノの紛失や盗難のリスクも無いため、セキュリティも向上すると考えられるのではないでしょうか。
混雑の緩和
ウォークスルーに対応した顔認証システムであれば、認証時に立ち止まることなくゲートを通過することが可能です。
これにより入退場の待ち時間が大きく削減され、混雑や行列を防ぐことに繋がります。
手荷物が多いシーンや、設備の搬入・搬出を行なう際には、手ぶらで認証できる顔認証の特性が大いに活躍します。
不正防止
顔認証による入退場管理では、入退場を行なう人物の顔をその場で認証します。
そのため貸し借りや紛失の心配がなく、常に本人による認証を強制することが可能です。
また、顔情報は偽装することが困難であり、顔写真をカメラに映しても認証することはできません。
そのため、顔認証は入退室管理の認証方式として、高いセキュリティを実現できる仕組みであると言えます。
ログによる事後確認
なんらかの不正により入退場が行なわれた場合、当時の状況を分析するために画像や映像を見返すことが可能です。
テキスト情報からの想定では無く、明確な証拠として画像が残ることは不正対策を行なう上で大きな意味があると言えるでしょう。
該当者を特定するほか、不正を行ないやすい環境の改善など、様々なアプローチに有力な情報を得ることができます。
顔認証システムにより、今後の入退場管理は大きく変わる可能性があります。
顔認証ゲートの活用シーン
顔認証システムは、実際に多くのシーンで活用が広がっています。
空港
感染症対策や不正出入国など、空港は厳密な入退場を必要とする代表的な施設です。
出入国在留管理庁でも、入退場に顔認証システムの導入を推進しています。
また、実際に日本航空株式会社(JAL)や日本空輸株式会社(ANA)でも顔認証の利用が開始されています。
参考
出入国在留管理庁 顔認証ゲートのさらなる活用について
https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00168.htm
JAL国際線 顔認証による搭乗手続きを開始!
https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/faceexpress/
ANA Face Express(顔認証)による搭乗手続きについて
https://www.ana.co.jp/ja/jp/international/prepare/information/face-express.html
オフィス
入退室管理システムとして、顔認証の活用が広がっています。
入退室の手間が削減されることで業務のスムーズ化を見込めるほか、オフィス自体のセキュリティ向上を見込めることが顔認証の魅力です。
出退勤時など、大勢が同じ時間帯に認証を行なうシーンでは、ウォークスルーに対応した顔認証システムが大きな効果を発揮します。
立ち止まることなく認証を行うことで混雑が大きく緩和され、ストレスの削減や感染症対策としても有効です。
▶︎ 株式会社レアジョブの入退室管理システムの導入事例はこちら
特定区画の入退場管理の他にも、来客対応やシステムへのログイン、勤怠管理など、入退場に限らない様々なシステムと連携することで顔認証システムの効果は大きく向上します。
管理部門の工数削減や受付業務のシンプル化、日常業務のログイン作業効率化など、実務面でのメリットを得やすいと言えるでしょう。
▶︎ 株式会社イオンファンタジーの顔認証SSOの導入事例はこちら
テーマパーク
開園時間や人気アトラクションなど、テーマパークは混雑が発生しやすい施設であると言えます。
そもそもの入場者が多いため完全に混雑をなくせるわけではありませんが、テーマパークのスタッフによるチケット確認や来園者のチケット管理などが不要となることは、テーマパークと来園者双方に大きなメリットがあると考えられるのではないでしょうか。
また、遊びに来ている来園者は、些細なストレスで体験を大きく損なってしまう恐れもあります。
少しでも快適にテーマパークを楽しめる環境を構築することで、リピート客の増加や満足度の向上を見込めると考えられます。
入退場を管理する場所であれば、基本的に顔認証システムは有効に活用することができます。
活用が広がる顔認証システム
オフィスの入退室はもちろん、非常に高度なセキュリティが求められる空港まで、顔認証システムは広い範囲で活躍しています。
大がかりな専門機器を用意せず、人の顔を認識できるカメラがあれば始められる手軽さも魅力のひとつと言えるでしょう。
工夫次第では様々なシステムと連携し、単なる認証システムではなく業務効率の向上やセキュリティの強化を見込める顔認証システムを、ぜひご検討ください。