活用が広がる顔認証はマンションでも大きな効果！利便性と安全性が向上する仕組みを解説。

多くの方が高い防犯意識を持ち、日常生活においてもセキュリティの需要は高まりを見せています。
その中でも私たちの暮らしに近いものとしてあげられるのが、住居の防犯対策です。特にマンションでは、セキュリティがお客様の選定基準の重要なポイントのひとつと言えるのではないでしょうか。
マンションのセキュリティ対策として、近年では顔認証システムを活用するシーンが増えてきています。

この記事では、顔認証システムによるマンションのセキュリティや利便性の向上について解説します。

シリンダー錠などに差し込む従来の鍵やカードキー、近年ではスマートデバイスと連動したスマートキーなど、施錠を行なう仕組みは複数あります。
活用が広がっている顔認証システムとは、どのようなものかを紹介します。

顔認証の特徴

認証を行なっている人物の顔を認識し、本人確認を行える仕組みを「顔認証」と呼びます。
主に「目」「鼻」「口」の位置や特徴を抽出・分析して顔情報の一致を判定しており、非常に高い認証精度を誇ります。
また、顔情報は偽装が困難であり、顔写真や3Dモデルなどで突破することはできないため、第三者による不正認証を防止する効果もあります。
近年ではスマートフォンやパソコンのロック解除にも使われ、身近になった認証方式と言えるでしょう。

顔認証が活用される背景

顔認証が優れている代表的な項目として、「認証の容易さ」「認証精度」「認証デバイスのコスト」「非接触」の4点が挙げられます。

1．認証の容易さ
カメラで人物の顔を認証するため、カメラに顔を向けるだけで認証が完了します。
マスクやサングラスを着用していても認証を行えるため、利用者はほとんど手間を感じることなく認証を行なうことができます。
また、特定のデバイスに指を当てる、番号を入力するといった操作がないため誰でも簡単に利用することが可能です。

2．認証精度とスピード
顔認証システムにより差はありますが、顔認証の認証精度は生体認証の中でも高いと言われています。
深層学習や機械学習により、これからも精度は向上していくと考えて良いでしょう。
認証速度も向上しており、1秒未満で認証が完了するシステムも多くあります。
また、複数人が歩いている状態でも認証可能なウォークスルー機能が搭載されているシステムも存在します。
エントランスや共有スペースなどで一人ずつ認証を行なう手間は、入居者の満足度を下げてしまう一因となりますが、ウォークスルーによりスムーズに認証を行なうことが可能です。
このような利便性の高さが、顔認証システムが活用される理由のひとつと言えます。

3．セキュリティ
物理的な鍵は紛失や盗難のリスクがありますが、顔であればそのようなリスクを排除することができます。
顔情報は偽装することも非常に困難であるため、悪意を持った第三者の不正侵入のリスクを大きく削減することが可能です。
また、認証時には顔を撮影しているため、何かのトラブルがあった際も現場の状況を画像として確認することができます。
セキュリティの重要性はビジネス環境だけではなく、プライベートでも強く認識されています。セキュリティの強化を目的として、顔認証システムを利用する企業も増えていると考えられます。

4．非接触
コロナ禍以降、世の中では非接触の需要が急速に高まりました。顔認証はデバイスに一切触れることなく認証が完了するため、現代の非接触需要に対して非常にマッチしている方式であると言えます。
そのため、顔認証の導入が進み、活用が広がっていると考えられます。

顔認証システムにより、マンションのセキュリティや入居者の利便性が向上することを期待できます。

マンションに顔認証システムを導入することで得られるメリットと、知っておきたいデメリットを紹介します。

メリット

オートロックマンションでの鍵閉じ込め防止
物理的な鍵が不要となるため、閉じ込めが起こらない環境とすることができます。
入居者にとってのリスクが削減される他、管理業者側もトラブル対応の工数を削減できるため、両者にメリットがあると言えます。

セキュリティの向上
物理的な鍵を利用しないため紛失や盗難、意図しない複製を防ぐことができます。
顔情報自体の偽装も極めて困難な仕組みであるため、マンション自体のセキュリティは従来の鍵と比較して大きく向上すると考えられます。

デメリット

導入コストが必要
顔認証システムを利用する場合は、顔認証システムを提供している企業のサービスを利用することが一般的です。
そのため、顔認証システムの導入コストとランニングコストは必要となります。

顔情報の取り扱いに注意が必要
顔認証を実現するためには、認証する人物の顔情報をシステムに保存する必要があります。
顔情報は個人情報として取り扱われるため、情報漏洩等が発生しないよう厳重な管理が必要です。

多くのメリットがある顔認証システムですが、デメリットを考慮しなければ思わぬトラブルが発生するリスクもあります。そのため、導入前の入念な検討が大切です。

前述した顔認証システムの特徴により、マンション内で必要な様々な認証や業務の効率化とセキュリティの向上を見込むことができます。

入居者の認証

エントランスの出入り口や住居、マンションが提供している施設の利用時に、入居者の顔認証を行ないます。
第三者による侵入を防ぐほか、入居者の手間が削減されるため快適性の向上を見込むことができるのではないでしょうか。
買い物帰りなど、手が塞がっている際に解錠できる快適性も顔認証の強みと言えます。

訪問者の認証

入居者ではなくとも、事前に顔情報を登録しておくことで訪問者の認証を行なうことも可能です。
認証可能な時間帯を指定することで、予定されていない場合に入場されてしまうといったトラブルを防ぐことができます。

マンション運営業者の認証

マンションには居住区画だけではなく、管理人室や倉庫、メンテナンスルームなど運営業者側が利用する区画も存在します。
そのような区画に入居者が誤って進入することが無いように施錠をするため、業務として鍵の管理が必要です。

万が一鍵を紛失してしまった場合は重大なセキュリティインシデントとなる他、必要な業務を行えなくなるリスクも考えられます。
顔認証により鍵の管理をなくし、安全で効率的な業務遂行を見込むことができます。

提供サービスの利用者認証

マンションが提供する施設や宅配ボックスの利用時にも顔認証を活用することができます。
従来では施設を利用する際に名前や日時の記入、カード等による認証が必要でしたが、顔認証であれば入居者が顔をかざすだけで施設を利用可能です。
宅配ボックスも顔情報とボックスを紐付けることで取り違いを防ぎ、少ない手間で荷物を受け取ることができます。

物理的な鍵を使用せず、高いセキュリティと精度を誇る顔認証により、入居者の満足度や運営事業者の業務品質向上を見込むことができます。

痛ましい事件が多く発生し、報道されている現代では、マンション入居者のセキュリティ意識は高まっていると考えられます。
セキュリティの不備が身の危険に直結するリスクを強く感じている方であれば、マンションのセキュリティ設備は重要な選定要素となるでしょう。
マンションを販売する際や賃貸に出す際、魅力的なアピールポイントとすることもできるのではないでしょうか。

顔認証システムは、強固なセキュリティが求められるオフィスや空港でも活用されている技術です。盤石なセキュリティに加えて利便性の向上を狙える顔認証システムを、ぜひご検討ください。